
ストーカーによる殺人などの重大事案を防ぐため、警察庁は15日、悪質な加害者に全地球測位システム(GPS)機器を装着し被害者との接触を防ぐ新制度の是非などを検討する有識者会議を設置すると発表した。会議では加害者にカウンセリングや治療の受診を義務付けるかについても議論。19日に初会合を開く。
葉梨康弘国家公安委員長は15日の定例記者会見で「ストーカーの問題は危機的な状況にある。早急に会議を立ち上げ、制度設計に入ることにした」と経緯を説明した。
会議には憲法や刑事政策に詳しい大学教授や弁護士、カウンセリングの専門家ら8人が参加。2012年に神奈川県逗子市で起きたストーカー殺人事件の遺族も委員を務める。
GPSの活用は、ストーカー規制法に基づき付きまといなどを禁じる禁止命令に従わないといった加害者に機器を装着させ、被害者への接近を検知すれば警告を発する仕組みなどが想定される。同庁によると、スペインやドイツでは、ストーカーやDV(家庭内暴力)の加害者を監視し、被害者にある程度近づくと警察が対処する制度がある。ストーカーへのGPS装着を23年に導入した韓国では、装着者による殺人事件は起きていないという。
会議では導入の是非に加え、どのような場合に装着を義務付けるかやその期間、監視方法などについても議論される見通し。憲法の保障するプライバシーや行動の自由との整合性も議題になる。
【時事通信社】
〔写真説明〕悪質なストーカーへのGPS装着などを検討する有識者会議設置について、定例記者会見で説明する葉梨康弘国家公安委員長=15日午前、東京都千代田区
〔写真説明〕警察庁=東京都千代田区
2026年10月15日 14時23分