
【ワシントン時事】トランプ米政権によるパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長への刑事捜査を巡り、「身内」の共和党議員からも経済への悪影響を懸念する声が上がった。グリーンスパン元議長ら歴代議長や財務長官経験者は声明で、中央銀行トップへの捜査は「新興国のやり口だ」と批判した。
下院金融サービス委員会のヒル委員長(与党共和党)は12日の声明で、「パウエル氏は率直で、極めて高潔な人物だ」と擁護。「FRB本部改修工事に絡んだ議会証言に関する刑事捜査は、不必要な動揺を招く」と警告した。
パウエル氏の任期は今年5月まで。トランプ大統領は近く、次期議長を指名する見込みだが、就任には上院の承認が必要となる。だが、ティリス上院議員(共和党)は「(パウエル氏の)法的問題が解決されるまで、次期議長を含めたFRB関連のいかなる指名にも反対する」と明言した。
グリーンスパン氏のほか、イエレン、バーナンキ両氏の前・元FRB議長、ブッシュ(子)政権で財務長官を務めたポールソン氏を含む閣僚経験者ら14人は声明で、パウエル氏への刑事捜査は「独立性を弱める前代未聞の試みだ」と批判。「新興国における金融政策のようだ」とし、「最大の強みが法の支配である米国で、そのような行為は許されない」と訴えた。
米ニュースサイト「アクシオス」によると、ベセント財務長官は11日夜、パウエル氏捜査が「混乱をもたらす」との懸念をトランプ氏に伝えた。レビット大統領報道官は12日、記者団に対し、トランプ氏が捜査を指示したことを否定。「パウエル氏が犯罪者かどうかは、司法省が答えを出す必要がある」と話した。
〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=2025年12月、ワシントン(EPA時事)
2026年01月13日 17時07分