【ロンドン時事】英国で18日に投開票が行われた下院補選で、与党・労働党のバーナム・マンチェスター市長が当選した。支持率が低迷するスターマー首相の対抗馬として「将来の首相候補」に急浮上。労働党の党首選が行われ、バーナム氏が人気取りを優先したバラマキ色の強い経済政策を打ち出せば、財政悪化への懸念からポンドや国債が下落する「英国売り」を招きかねない。金融市場は今後の政権の動向に身構えている。
バーナム氏は労働党内でも、積極財政による「大きな政府」を志向する左派とされる。下院補選への出馬の可能性が高まった5月中旬、警戒感からポンドは売り込まれ、英長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時、2008年以来の5.1%台に上昇(価格は下落)。30年物国債利回りも一時、1998年以来となる5.8%台と高水準になった。
英国では、2022年に財源の裏付けに欠ける大型減税策を打ち出して市場の厳しい洗礼を浴びた「トラス・ショック」の記憶が新しい。足元の金利は、米国とイランの戦闘終結合意などを受けて上昇が抑制されているが、財政規律の緩みが意識されれば、金利には上昇圧力がかかる。
有権者におもねるポピュリズム政治が広がる中、英国でも5月の地方選で右派ポピュリスト政党が躍進した。積極財政派のバーナム氏はかつて「政治は債券市場の言いなりになるべきではない」と発言しており、労働党の党首選で大盤振る舞いをアピールすれば、市場の反乱を誘発するリスクを帯びている。
市場関係者は「次の労働党党首が誰になっても、今よりも財政拡張寄りの政策が出てくる可能性が高い」と不安定な動きを警戒。英調査会社オックスフォード・エコノミクスは「英政府は力強く一貫した政策が必要だ」と指摘している。
2026年06月19日 20時31分
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