
日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業がプラス22と、前回3月調査のプラス17から5ポイント改善した。改善は5四半期連続。人工知能(AI)や半導体関連の堅調な需要が押し上げた。先行きは中東情勢を受けたコスト高の懸念から、悪化を見込む。
DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。大企業非製造業はプラス37と、3月調査から1ポイント改善し、5四半期ぶりの改善となった。
大企業製造業のDIは2018年3月以来の高水準。好調なAI・半導体関連需要のほか、仕入れ価格高騰の転嫁が進んだことで非鉄金属や生産用機械など多くの業種で上昇した。中東情勢悪化による原材料の調達難を見越した前倒し需要も寄与した。一方で、中東向けなどの減産で自動車はプラス12と1ポイント悪化した。
大企業非製造業のDIも、1991年8月以来の高い水準。価格転嫁の進展やインバウンド(訪日客)需要の増加が奏功し、宿泊・飲食サービスがプラス46(前回プラス34)、小売りもプラス33(同プラス26)と大きく改善した。
先行きの景況感は、大企業製造業がプラス17、同非製造業はプラス28といずれも悪化を見込む。中東情勢による原材料価格高騰のほか、前倒し需要の反動による下押しが懸念されている。
〔写真説明〕日銀本店=東京都中央区(EPA時事)
2026年07月01日 14時18分