ゾンビ企業補助金、禁止を=中国の非市場的慣行へ対抗―WTO改革、日本提案が判明



世界貿易機関(WTO)の改革に向けた日本政府の提案内容が10日、判明した。中国の巨額補助金など非市場的慣行を念頭に、自由貿易をゆがめるような補助金を規制するWTO協定の強化を提唱。禁止対象に、制限のない債務保証や実質的に経営破綻している「ゾンビ企業」への補助金を加えるよう求める。

2028年のWTO閣僚会議に向け、日本政府は改革の議論で存在感を示したい考え。米中などの対立でWTOは機能不全に陥っており、改革が急務だが、アフリカ中部カメルーンで3月に開かれた閣僚会議では、組織改革の作業計画を含む宣言を採択できなかった。

WTO改革では、(1)交渉が行き詰まる原因となっている全会一致を原則とした意思決定の柔軟化(2)非市場的な政策・慣行を防ぐ公平な競争条件の確保(3)途上国に認められているルール免除の見直し―などが主要な課題。意思決定の改革では、日本が議論をまとめる「ファシリテーター」を務める。

公平な競争条件では、日本は禁止補助金の対象拡充を提案。また、加盟国が補助金を交付する場合、WTOに詳細内容を報告する義務があるが、十分に順守されていない。このため、他国が補助金を知らせる「逆通報」制度の活用促進を求める。不透明な補助金を通じた過剰生産により重要鉱物などで支配的なシェアを握り、経済的威圧を行う中国への対策が念頭にある。

意思決定プロセスの改革では、全会一致の弊害を避けるため、一部の有志国間で締結される多数国間協定を実現しやすくする方策も提案。多数国間協定を阻止したい国には、協定による損害を説明する義務を負わせる。説明に加盟国の過半数が反対した場合は、協定を阻止できないようにするとした。

2026年07月11日 08時01分

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