
【ニューヨーク時事】米国で政治やスポーツなどさまざまな事象に関する結果を予想してお金を賭ける「予測市場」を巡り、トランプ政権と各州の対立が深まってきた。規制緩和を掲げる政権は金融商品の一種として連邦当局の枠組みで管轄する意向だが、一部の州は実質的な賭博にもかかわらず州の許可なく違法に運営されていると主張し、訴訟や禁止に動いている。
「いきなり『アメリカ・ファースト』が来たな」。今月、トランプ大統領の演説を中継で見ながら、ニューヨーク在住の男性は笑みを浮かべた。演説で使われる言葉を予測して賭け、結果を確認する様子をライブ配信していた男性は、他にも「最高裁判所」「宴会場」などの言葉を当て、計2500ドル(約40万円)の利益を得た。
予測市場では、ある選挙で「A氏が当選する」という事象に賭ける場合、確率が35%の時点では価格が1口当たり35セントとなる。当たった場合、報酬は1ドルに固定されており、差額の65セントがもうかるが、外れると報酬はゼロで、35セントの損失を被る。結果が出る前に市場で保有する賭けを売却することもできる。
賭けの状況に応じて確率と価格が変化するのが特徴で、運営企業の「カルシ」や「ポリマーケット」は、胴元がオッズを決める賭博との違いを強調する。ただ、最近サッカーのワールドカップ(W杯)などスポーツ関連の取引が急増したことで、賭博を規制する各州が厳しい視線を向け始めた。
東部ニューヨーク州は7月、カルシが「違法な賭博事業」を行っているとして、事業差し止めなどを求め提訴した。一方、これまで西部アリゾナ、中西部イリノイ、東部コネチカットの3州が運営各社に事業停止を命じたが、連邦当局が阻止するため裁判を起こしており、攻防が激化している。
〔写真説明〕予測市場の運営企業「カルシ」と「ポリマーケット」のウェブサイト=27日、米ニューヨーク
2026年08月30日 07時07分