
【ワシントン、ニューヨーク時事】トランプ米政権は8日、カナダ産の酒類や乳製品の一部について輸入を禁止すると発表した。先月引き上げた50%関税の対象も拡大。カナダが8日に発動した対米報復関税を受けた措置で、報復の連鎖が一段と激しさを増している。両国による貿易戦争に発展すれば、日本企業も含めサプライチェーン(供給網)が打撃を受けかねない。
50%の関税の対象には、家具やアルミニウム製品、小型自動車などの品目を加える。発動は15日。禁輸措置は29日に発効し、対象品目はカナダ産のビールやウイスキー、乳製品など数十億ドル(数千億円)規模に上る。
米高官は8日、カナダによる米製品の不買運動などを念頭に、「カナダの報復の継続に対抗するよう措置を設計した」と記者団に説明。トランプ米大統領が打ち出した来年1月から自動車に50%の追加関税を課す方針は、今回とは別の措置で「引き続き有効だ」としている。
米政権は先月22日、カナダに対する50%の追加関税を発動。カナダ政府は8日、米国産の鉄鋼やアルミ、乳製品、家具などに最大50%の関税を発動した。これを受け、米政権は税率を引き上げたカナダ製の酒類や乳製品の特定品目について、輸入自体を停止する、より強力な手段に打って出た。
トランプ氏はまた、SNSへの投稿で、米国の政府調達から「カナダ産品の除外に向け、あらゆる必要な措置を講じる」と表明した。カナダが米企業からの政府調達を禁止してきたと非難。「カナダが巨大な米政府調達市場に幅広く参入できるにもかかわらずだ。互恵的ではなく、貿易上の詐欺だ」と主張した。
一方、カナダのカーニー首相は8日、国民向けの演説で、米国との通商交渉決裂について「公正な合意案が提示されなかった。(交渉から)離脱する正しい選択をした」と述べた。「われわれの未来は米国ではなくカナダで決まる」とし、米側の姿勢を批判した。
〔写真説明〕米国とカナダをまたぐ橋でたなびく両国国旗=6日、米ミシガン州とカナダ・オンタリオ州の国境(AFP時事)
〔写真説明〕カナダのカーニー首相(左)とトランプ米大統領(AFP時事)
2026年09月09日 14時59分