競争苛烈も、価格は4社で調整か=ビール業界に衝撃―カルテル疑惑



ビール大手4社のカルテル疑惑に公正取引委員会のメスが入った。4社はこれまで商品開発や販売で火花を散らしてきたが、価格では水面下で手を握り、足並みをそろえていた疑いが浮上した。10月のビール減税を追い風に市場活性化を目指していた業界は、出はなをくじかれた格好だ。

4社は長年、シェアを巡って激しい争いを展開してきた歴史があり、社員同士のライバル意識も強い。第2次世界大戦後、国内で長らく首位を維持していたのはキリンビールで、一時は6割強のシェアを握っていた。だが、1987年にアサヒビールが「スーパードライ」を発売すると勢力図が変化し、98年にはアサヒがビールの年間出荷量でトップを奪取。同社とキリンの2強がビール類市場でしのぎを削る時代に突入した。

90年代以降は酒税を抑え、安く売れる発泡酒や第三のビールの開発競争が激化。サントリーの発泡酒「ホップス」やサッポロビールの第三「ドラフトワン」、キリンの第三「のどごし〈生〉」などの新製品が相次ぎ登場し、体力自慢の営業社員が量販店や飲食店などの現場で苛烈な販売競争を繰り広げてきた。

ただ、国内ビール市場は人口減少などを背景に縮小傾向が続く。原材料や物流費も高騰する中、価格面では競争を避け、ライバル同士がひそかに手を組むことで収益確保を狙った可能性がある。

業界では今月1日のビール減税を販売促進の好機と捉え、「市場を盛り上げたい。ビールの魅力をどんどん発信していく」(アサヒの松山一雄社長)と意気込んでいた。その中で噴き出した今回の疑惑は業界の信用やブランドに傷を付けかねず、経営陣の責任も問われそうだ。

〔写真説明〕(写真左から)サッポロビール、キリンビール、サントリー、アサヒビールの本社

2026年10月08日 08時11分


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