
東京商工リサーチは16日、国税庁の有識者会議が見直しを検討している非上場企業株式の相続時の評価方式に関し、企業に実施したアンケートの結果を発表した。それによると、この見直しの動きを知る企業のうち、実施された場合は評価額が「上昇しそうだ」と答えたのは半数を超えた。見直し案を巡っては、相続税や贈与税の負担が増えて後継者に事業を円滑に引き継げなくなるとして、反発の声が相次いでいる。
調査は10月1~8日にオンラインで実施。5257社から有効回答を得た。見直しの動きを「知っている」と答えた企業は36.6%にとどまった。うち56.2%が評価額が「上昇しそうだ」と回答。特に製造業の割合が多かった。
非上場株の相続時の評価額は現在、大企業の場合は事業内容が似ている上場企業の株価を参考に算定し、小規模の会社の場合は会社の資産を基に算定している。ただ、会社規模が大きいほど評価額が相対的に低くなり、公平性が必ずしも確保されていないとする会計検査院の指摘を受け、国税庁は4月から有識者会議で見直しを検討。帳簿価格の保有資産と数年分の超過収益で評価する案を8月に示した。
しかし、企業側からは異論が噴出。日本商工会議所や経済同友会が「中小企業の成長投資をゆがませる」などと批判したほか、経済産業省も「事業承継に深刻な影響を来す」と再考を迫る異例の意見書を出し、溝が深まっている。
〔写真説明〕東京商工リサーチのロゴマーク
2026年10月16日 21時28分