セブン&アイ・ホールディングスの株主が、子会社「そごう・西武」の米投資ファンドへの売却差し止めを求めた仮処分申請で、東京地裁(笹本哲朗裁判長)は22日までに、却下する決定を出した。20日付。
株主側は、西武池袋本店などの保有不動産の鑑定評価額と比べ、譲渡価格は不当に安価だと主張していた。笹本裁判長は決定で、セブン&アイが企業価値の評価に当たり専門的助言を受けていたなどとし「決定過程に照らしても、譲渡価格が著しく不合理だとは認め難い」と述べた。
同社経営陣については「従業員の雇用や取引先との関係にも配慮し合意形成に努めている」と指摘。「経営判断に不合理な点はなく、グループの信用低下などの損害を被ることが具体的には明らかになっていない」として、取締役に善管注意義務違反などはないと結論付けた。
〔写真説明〕東京地裁=東京都千代田区
2023年03月22日 19時47分