
警視庁は1日、同庁の防犯アプリ「デジポリス」に、国際電話や特殊詐欺に利用されたとみられる電話番号からの着信を遮断する新機能を搭載した。同庁が今年上半期に把握した詐欺電話の約8割が「+」で始まる国際電話だったといい、アプリの活用を呼び掛けている。
新機能を有効にすると、同庁が把握している詐欺電話の番号や国際電話からの着信はアプリが自動で遮断。着信履歴に残らないようにすることも可能だ。米アップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」は、詐欺電話の番号は遮断できるが、国際電話はできないため、別の対策を取るための設定画面を表示するという。
同庁によると、特殊詐欺の発信に使用された電話回線は、2022年は固定電話とIP電話が大半だったが、24年は国際電話が約7割を占め、今年上半期では約8割に上った。
詐欺電話は、23年は約9割が固定電話にかかってきていたが、今年は10月末時点で携帯電話が5割近くまで増加。スマホのビデオ通話に誘導し、偽の逮捕状や警察手帳を示すなど手口が巧妙化していることが背景にあるとみられる。
東京都内の今年の特殊詐欺被害額は10月末時点で約236億8400万円に上り、前年同期比で140億円以上増加した。同庁は「電話に出ないということが対策として有効。デジポリスを詐欺被害防止に活用してほしい」としている。
〔写真説明〕防犯アプリ「デジポリス」に搭載された国際電話ブロック機能について案内するチラシ(警視庁提供)
〔写真説明〕防犯アプリ「デジポリス」の国際電話ブロック機能の設定画面のスクリーンショット(左:iPhone、右:アンドロイド)
2025年12月01日 11時41分