
沖縄県名護市の辺野古沖で船2隻が転覆し、女子高校生ら2人が死亡した事故で、第11管区海上保安本部は20日、業務上過失致死傷などの疑いで、運航していた市民団体「ヘリ基地反対協議会」の事務所(名護市)などに家宅捜索に入った。同本部は押収した資料を分析し、出航に至った経緯や安全管理体制などを調べる。
他に捜索したのは、辺野古にある「テント村」と呼ばれる同協議会の拠点。午前11時40分ごろ、段ボール箱を抱えた海保の捜査員約10人が名護市の事務所を出た。捜索後、同協議会の仲村善幸共同代表は記者団の取材に応じ、「捜査に全面的に協力する」と言葉少なに語った。
同協議会によると、出航の判断は船長に一任されており、風速や波の高さなどの基準は明文化されていなかった。出航当日の朝、船長が気象情報や海の状況を確認して可否を判断する運用で、風速7、8メートルを目安としていたという。
事故当時、現場付近は風速4メートルで、波浪注意報が発令されていた。同本部によると、現場はリーフ(環礁)周辺の高波が起きやすい海域で、白波が立つ様子も確認されていたといい、2隻は高波を受けて転覆したとみられている。
事故は16日午前10時すぎ、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設に向けた工事が行われている辺野古沖で発生。平和学習に訪れた同志社国際高校(京都府京田辺市)の生徒18人と乗組員3人が分乗した「不屈」「平和丸」が相次いで転覆し、不屈の船長金井創さん(71)と平和丸に乗船していた女子生徒(17)が死亡、14人が負傷した。
〔写真説明〕船転覆事故で、運航していた市民団体「ヘリ基地反対協議会」の事務所を家宅捜索した第11管区海上保安本部の捜査員ら=20日、沖縄県名護市
2026年03月20日 17時24分