
福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年、親子ら3人がプレジャーボートに巻き込まれ死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた元会社役員佐藤剛被告(49)の上告審判決が16日、最高裁第2小法廷であった。高須順一裁判長は「一審の事実認定が不合理だと十分に示していない」として、逆転無罪を言い渡した二審仙台高裁判決を破棄した。過失を認め、禁錮2年の実刑とした一審福島地裁判決が確定する。
判決によると、事故は20年9月6日午前11時ごろ発生。佐藤被告が操縦するボートがマリンスポーツの順番待ちで湖面に浮いていた3人に衝突し、千葉県野田市の豊田瑛大さん=当時(8)=が死亡、母親ら2人が重傷を負った。
小法廷は、衝突現場周辺が人の存在を想定できる水域である以上、注意義務があったと指摘。「親子らがボートの死角に入るまでに数十秒の時間があり、近づく間に視認できた」などとして被告の過失を認めた一審判決は是認できると述べた。
一審に事実誤認があると判断した二審判決は具体的な理由を示しておらず、刑事訴訟法上の違法があると言及。禁錮2年の量刑は相当だとして、一審に対する被告の控訴を棄却した。
一審は23年、衝突場所の約220メートル手前で佐藤被告が親子らを視認でき、衝突を回避できたと認定した。二審は24年、現場は遊泳禁止区域で人が浮かんでいるとは想定し難い上、「ボートの死角に入っていた可能性が否定できない」として過失を否定。検察側が上告していた。
最高検の話
主張が認められ、正当な判断をいただいたものと考える。
〔写真説明〕最高裁=東京都千代田区
2026年10月16日 19時07分