
新型コロナウイルスの感染拡大で経営状況が悪化した医療機関や福祉施設に対する公的融資を会計検査院が調べたところ、対象外の施設に5年間で総額2億1300万円が貸し付けられていた。融資を行っていた独立行政法人「福祉医療機構」(WAM)は返還を求めており、「再発防止に努める」としている。
コロナ禍で地域の医療・福祉サービスを維持するため、WAMは国からの財政支援を原資に医療機関や福祉施設に融資を行い、資金繰りの改善を図ってきた。一定額までであれば無利子、無担保で融資するなどの優遇措置を設け、2019~23年度には約4万5000件で計約2兆930億円を貸し付けた。
審査を迅速に行うため、提出資料の数を絞るなど手続きを簡素化。申請が殺到した20年度には、1件当たり5日程度で判断していた。
検査院が調べたところ、営利法人などの対象外の8施設に計2億1300万円貸し付けていた。このほか、開業資金目的で申請したり、他業種の法人が休業中のクリニックを買収して融資金を流用しようとしたりするなど、制度の趣旨に沿わない申請が横行していた。
検査院は迅速な審査の一方で、融資要件を満たすかや、詳しい運営実態を確認する仕組みを整える必要があると指摘した。
〔写真説明〕会計検査院=東京都千代田区
2026年11月06日 09時16分