
勝負に懸ける強い決意が自然と体を前に運ぶ。阿炎は右からかち上げて朝紅龍を起こすと、休まず突いて土俵の外へ。「しっかり体をぶつけられた。自分の距離になって足もついてきた」。中に入れるとうるさい小兵に何もさせなかった。
幕内で唯一の6連勝にも、当の本人は「特にない。勝ち越しもしていないので」と浮かれたそぶりはない。脳裏にあるのは昨年の悔しさ。年6場所中5場所で負け越し、三役の常連だった番付は西12枚目まで落ちた。
「すごく悔しくて反省した」。周囲からの「落ち着いた、大人になった」という自身の思いとは違う言葉も発奮材料に。相撲内容よりも結果にこだわることを今年のテーマに、これまで以上に闘争心をかき立てて土俵に上がる意識が早速、功を奏している。
師匠の錣山親方(元小結豊真将)は「まだ老け込むには早い」とハッパを掛ける。昨年12月が三回忌だった先代師匠、元関脇寺尾は39歳まで土俵に立ち、「鉄人」と称された。場所前に墓前を訪れたという阿炎はまだ31歳。巻き返すだけの力は、十分にみなぎっているはずだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕朝紅龍(左)を攻める阿炎=16日、東京・両国国技館
2026年01月16日 20時47分