影響、後代に続く恐れ=パリ協定、条約からも離脱―地球温暖化対策が後退・トランプ政権1年



【ニューヨーク時事】トランプ米政権は発足後、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの米国脱退を決めたほか、同協定の基盤となる国連気候変動枠組み条約から抜けることも表明し、対策を大幅に後退させた。気候に関する科学的知見を否定し、環境規制を土台から覆そうと動いており、影響は後代まで続く恐れが強い。

米国は第1次トランプ政権下でパリ協定を離脱したが、バイデン前大統領が2021年の就任に伴い復帰させた。ただ、トランプ大統領は今月、条約自体を離れると発表。実現すれば、将来の政権が復帰するには上院の再承認が必要になり、難航する可能性が指摘される。

パリ協定に戻るにも、まず条約の再締結から始めなければならない。対策推進派のゴア元副大統領は「トランプ政権は数十年かけて築き上げてきた外交努力を無駄にし、世界中に不信の種をまき散らそうとしている」と非難した。

トランプ氏は気候変動問題そのものを、でっち上げられた「詐欺」だと繰り返し呼び、「国連やその他多くの機関が行った予測はしばしば悪意に基づくもので、すべて誤りだった」と主張。世界的に気温が上昇していることを含め、国際的に確立した知見を認めない。

エネルギー省は昨年7月、温室効果ガスと気温上昇の関係に懐疑的だったり、気候変動による自然災害や海面上昇の影響を小さく評価したりする非主流派の研究者が執筆した報告書を公表。政策変更の根拠に用いる狙いが透ける。

既に、政権は火力発電所に対する温室ガス排出規制の撤回や、自動車の排ガス規制見直し、電気自動車(EV)購入支援策の打ち切りなど、バイデン前政権までの各種政策を180度転換した。再生可能エネルギーの導入促進をやめ、石油や天然ガスの増産を奨励している。

昨年12月には、気候・気象分野で世界有数とされる国立大気研究センターを解体する意向を明らかにした。米ブラウン大環境社会研究所のキム・コブ所長は、政権は研究の意義を理解していないと指摘し、「一度壊してしまうと、元に戻すのは非常に困難になる」と懸念を示した。

【時事通信社】

2026年01月17日 07時17分

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