
2―3の八回。甲子園の大歓声に迎えられ、大けがを乗り越えた阪神の石井は、今季初のマウンドに向かった。昨季、プロ野球記録の50試合連続無失点を達成した中継ぎエースらしく、最速152キロの直球は健在。1回を無失点で抑え「健康に帰ってこられたことが一番よかった」と充実感に浸った。
強打者が並ぶDeNA打線とあって、「石橋をたたきながらいった」。先頭の牧への四球をきっかけに1死一、二塁のピンチを招いた。ここで動じることなく、宮崎をスライダーで見逃し三振に。続く蝦名は直球で押し込んでしのいだ。
2月の春季キャンプ中、さらなる進化を誓っていた中で、予期せぬ事態が襲った。左アキレス腱(けん)を断裂。歩けない状態から始まったリハビリは、気が遠くなるほどつらかっただろう。それでも「自分のやるべきことをやるだけ」。チームの戦力になれない悔しさを抱えながらも、地道に歩みを進めてきた。
投げられない絶望を味わったからこそ、立場にはこだわりはない。「1軍で投げられるだけで幸せ。自分のベストを尽くして後悔なく頑張るだけ」。この日は敗れたとはいえ、連覇へ突き進む阪神に強力なラストピースが戻ってきた。
【時事通信社】
〔写真説明〕8回、力投する阪神2番手の石井=5日、甲子園
2026年09月05日 22時29分