
飛躍の時を迎えるか。23歳の伯乃富士が新小結に昇進し、秋場所に臨む。「目標はもちろん優勝。強く当たって前に出る相撲を15日間取り切る」。大きな野望を胸に己を貫く心意気だ。
元横綱白鵬が師匠だった宮城野部屋に入門。2023年名古屋場所で、昭和以降では最速タイの初土俵から所要3場所で新入幕を果たし、いきなり優勝争い。その後、左肩の手術を受けたこともあって幕下まで転落した。それでも「新入幕の頃は若さと勢いがあったかもしれないが、今の方が自分は強い」。遠回りした月日を前向きに捉える。
三役の座を射止める要因となったのは、意識の変化。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)に「本場所で取る相撲を稽古場から力を抜かずにやっていけ」と叱咤(しった)され、何となく取り組んでいた稽古への向き合い方を見直した。昨年九州場所で負け越した苦い経験からトレーニングにも今まで以上に自発的に励むようになり、「本当に力が付いた。(相撲で)今までできなかったことができるようになった」と実感を込める。
親方は弟子について「持って生まれたものが違う」と、そのセンスを絶賛。伯乃富士が見据えるのは初の賜杯獲得、さらに師匠が23歳の時に初めてつかんだ大関の地位だ。「三役は一つの目標であってゴールではない。幕内優勝、大関を目指してやる」。実りの秋とすべく、愚直に前に出る。
【時事通信社】
〔写真説明〕横綱審議委員による稽古総見で汗を流す伯乃富士(左)=4日、東京・両国国技館
2026年09月09日 07時15分