
アジアのスポーツの祭典、第20回アジア大会が19日に開幕する。既に10日から一部の競技が始まり、愛知県を中心に10月4日まで熱戦が繰り広げられる。日本での夏季大会は32年ぶり3度目の開催。平和と協調を掲げ、70年以上の歴史を持つ大会だ。
「アジアを一つにし、連帯と共通のビジョンを体現する大会だ」。アジア・オリンピック評議会(OCA)のジョアン会長の言葉通り、その意義は深い。第1回大会は1951年。第2次世界大戦で分断されたアジアの友好と親善を目的にニューデリーで行われ、11カ国・地域が参加した。
日本スポーツ界の背中も押してきた。敗戦後の48年ロンドン五輪に招かれなかった中、第1回大会が国際舞台復帰の契機に。国内初開催の58年東京大会では国立競技場が建設されるなど、競技環境が整備された。戦後復興をアピールし、64年東京五輪招致の弾みとなった。
参加規模や競技数は大会を追うごとに拡大。「平和と調和」を掲げた94年広島大会では、一つの転機が訪れた。大会史上初めて首都以外で開催され、ソ連崩壊後の中央アジア勢が初参加。42カ国・地域が集い、アジア全体の連帯を高める役割を担った。
OCAによると、今大会は45カ国・地域から1万1000人以上の選手が集まり、難民選手団も参加。五輪より多い43競技の特色は豊かだ。陸上や柔道、水泳、サッカーといった花形に加え、カバディやセパタクローなどアジアにルーツを持つ競技も。2028年ロサンゼルス五輪で採用されるクリケットとスカッシュは、注目度を高める機会にもなる。
五輪へ弾みをつける舞台とも言われ、柔道男子の井上康生や競泳男子の北島康介、マラソン女子の高橋尚子らスター選手はここから羽ばたいた。コロナ禍で原則無観客だった21年東京五輪と異なり、国内外からファンも訪れる。興奮と熱狂が、アジアを一つにできるか。
【時事通信社】
〔写真説明〕ドーハ・アジア大会の競泳男子200メートル平泳ぎで優勝し、金メダルを獲得した北島康介=2006年12月7日、ドーハ
〔写真説明〕バンコクアジア大会の女子マラソンで2時間21分47秒の日本最高記録でゴールする高橋尚子=1998年12月6日、バンコク
2026年09月15日 07時03分