
愛知・名古屋アジア大会で初めて実施されたパデルが、普及への足掛かりをつかもうとしている。世界の愛好家は約3500万人。国内ではなじみが薄いが、日本協会は競技の裾野を広げたい考えだ。
1970年ごろに考案され、スペインや南米などで人気を集める。スカッシュとテニスの要素を併せ持ち、2人1組でプレー。強化ガラスと金網で囲まれたコートでは、壁に当てて跳ね返った球を打ち返すことができ、場外に出た球も返球するダイナミックさが魅力だ。
アジア大会の競技初日となった9月28日は客席がほぼ満席。日本協会の中塚浩二会長は「いいスタートが切れた」と満足そうに話す。
日本に持ち込まれたのは2013年で、現在の競技人口は約6万人。全国に30カ所近く施設がある。一方、普及の大きな壁になっているのがコートの設置費用。1面で約1000万円かかり、コートの重量は約3トン。これがネックになっている。
そこで協会が目を付けたのが富裕層。パデル人気が高まる中東では、王族や富豪がラウンジを備えた屋内施設でプレー。社交の場としても利用されているという。「日本もそういう方に認めてもらうのがいいのでは」と中塚会長は話す。
屋外型が多い日本でも、今後は屋内コートを増やす方針。「ゴルフ場のようにコミュニティーを築く場となれば」と青写真を描く。今回のアジア大会でも企業のトップらを招待した。
国際連盟の理事も務める中塚氏は「32年ブリスベン五輪の競技に入れたい」と意欲を語る。欧州や南米の競技会でも実施され、男女の競技人口に大きな偏りがないことや、商業的な強みもアピール材料。「国際オリンピック委員会(IOC)が求める基準はクリアしている」と自信を見せている。
【時事通信社】
〔写真説明〕愛知・名古屋アジア大会で初めて実施されたパデル=9月28日、名古屋市東スポーツセンター
〔写真説明〕日本パデル協会会長の中塚浩二氏=9月28日、名古屋市東区
2026年10月03日 07時16分