
電力制御などに使う「パワー半導体」事業の統合に向けた半導体大手ロームと東芝、三菱電機の3社による協議が長引いている。当初は「夏ごろ」をめどに一定の合意を目指していた。3社は持ち株会社方式を軸に事業統合を想定するが、新会社への出資比率などは主導権争いも絡み、不透明なままだ。
3社による事業統合の協議は3月に始まった。当面、11月の中間決算発表までの合意を目指すが、統合の形態などでもめれば、来年3月までずれ込む可能性もある。関係者は「急いでうまくいかなくなるより、最初に丁寧に話をして決めた方がいい」と話す。
持ち株会社の下に、3社のパワー半導体部門を移管した事業体に加え、ロームと東芝が抱えるアナログ半導体やセンサーなどを切り出した事業体をぶら下げる案が出ている。ただ、分離する事業の範囲など詳細は詰まっていない。
人工知能(AI)ブームで、各社が世界的な半導体需要の急増への対応に追われていることも、協議を遅らせている一因となっている。中国当局から独禁法上の許可を得るため、統合完了にさらに時間がかかる可能性がある。
世界のパワー半導体市場で日本勢は一定の存在感を示しているが、複数社が乱立し、1社当たりの事業規模は小さい。3社の事業統合が実現すれば世界2位のパワー半導体メーカーに踊り出る。中国メーカーの猛追を受けており、競争力強化に向けた事業統合が急がれている。
【時事通信社】
〔写真説明〕写真上からローム、東芝、三菱電機
2026年10月01日 07時49分