
持ち前の快活な振る舞いに、奥行きが出てきた。愛知・名古屋アジア大会のスポーツクライミング女子で、野中生萌(29)がボルダーに出場した。準決勝を2位で突破し、1日の決勝は6位。「やる気満々だったので悔しい。もっと練習しなきゃ」と気持ちを新たにした。
隆々とした筋肉が腕や背中に浮かび、ぐいとねじ伏せるような登りは若手の頃から変わらない。決勝の第1課題終盤には手に滑り止めを付け直す冷静さも。ただ、足の位置や重心移動がカギとなる課題に苦戦。登り切る「完登」は四つのうち二つにとどまり、「やっぱりバランスを取るのが得意じゃない」と宿題を積み残した。
3種目の複合だった2021年東京五輪で銀メダルに輝いた先駆者も、ベテランにさしかかる。昨年5月にはクライミングジムを開設。今は小学生中心のスクールも行う。登っても失敗しても楽しそうな子どもの表情に初心を思い出し、「前より一つの動作を考えるようになった。すごく面白いし、勉強になる」。競技への向き合い方に深みが増している。
気合を入れて染めた後ろ髪は赤色。大会マスコットになぞらえ「ホノホンみたいになっちゃった」と笑う。28年ロサンゼルス五輪は、3種目それぞれが単独で実施される。「そんなに五輪は甘くない。得意のボルダーに絞って、一点集中でやりたい」。出場権争いが本格化する来季へ、意気は高い。
【時事通信社】
〔写真説明〕スポーツクライミング女子ボルダー決勝、課題に臨む野中生萌=1日、名古屋市国際展示場
2026年10月04日 06時58分