
ヤクルト一筋25年。石川にとっての最後の試合は代打出場で幕を開けた。七回に高橋宏の直球を振り抜き三飛とすると、八回のマウンドに上がって森駿と対戦。120キロ台の直球と代名詞のシンカーで追い込み、4球目で空振り三振を奪った。勝負を終えた石川の瞳は、潤んでいた。
167センチと小柄な体で、2002年から24年連続で積み上げた白星は188。「夢に向かって一段飛ばし、二段飛ばしはできない」。200勝が遠くても向上心は貫いた。「野球が大好きだからこそ、うまくなりたい」
自己研さんを怠らず、仲間への思いやりにも満ちていた。「グラウンドに出たらライバル。やるときは闘志むき出しでいいけれど、それを離れたら人と人」。この試合に先発した高梨の言葉が、その人柄をよく表している。「うまくいかないときには、いい道に導いてくれる一言をくれた」。後輩への励ましを惜しまなかった。
試合後のセレモニーでは、「今まで携わってくださった誰一人が欠けても今の僕は存在しない」と感謝の思いを語った。石川コールが鳴りやまない。ファンに愛された小さな大投手が、グラウンドに別れを告げた。
【時事通信社】
〔写真説明〕8回に登板し、力投するヤクルトの石川=3日、神宮
〔写真説明〕試合後、スタンドの歓声に応えるヤクルトの石川=3日、神宮
2026年10月03日 22時52分