自国開催の価値、次世代へ=熱気の先に問われるレガシー―愛知・名古屋アジア大会



夏季では32年ぶりの日本開催となった愛知・名古屋アジア大会。原則無観客だった東京五輪以来となった自国での大規模な国際総合大会は、静寂に包まれた5年前から光景が一変した。歓声が響く会場で、人々が感動を共有。スポーツの祭典を開催する意味を改めて感じさせる16日間となった。

日本勢は躍動し、メダル総数、金メダル数ともに同一大会の史上最多を更新。観客は一流のパフォーマンスやアジアの多様な文化に触れた。名古屋市中心部ではメダリストをたたえる催しも開かれ、選手と来場者が交流。会場の内外で育まれた人のつながりや体験は、自国開催だからこそ残る財産となった。

一方、運営には課題が残った。選手らの輸送や宿泊で問題が生じ、ホッケー男子の韓国戦前に誤って北朝鮮国歌が流れる不手際も。SNSでは不確かな情報も拡散し、大会組織委員会の説明が後手に回ったことも重い教訓だ。チケットの売れ行きは好評とされながら、空席の目立つ会場も多かった。

45カ国・地域などから1万5000人超の選手団が参加し、規模は五輪を上回った。パラ大会を含む開催経費は約3700億円に膨らむ見込みだ。選手村を新設せず、競技会場は既存施設を生かして5都府県に分散。簡素化と円滑な運営をどう両立するか。持続可能な大会のあり方を模索した今回の試みを、今後につなげる必要がある。

東京五輪を巡る汚職・談合事件などを背景に、国内では国際総合大会の招致に厳しい視線が注がれている。将来の五輪招致を見据えても、成功と課題を検証し、知見や経験を次世代へ引き継ぐことが欠かせない。大会で生まれた熱気を一過性のものにせず、競技を通じた交流や運営上のノウハウ、教訓を次へどう生かすか。愛知・名古屋のレガシーの真価が問われるのは、これからだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕閉会式で掲揚される日の丸=4日、愛知・パロマ瑞穂スタジアム

2026年10月05日 07時02分


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