
プロ野球セ・リーグは、阪神が球団初の連覇を果たした。この4年で優勝3度。黄金期に入ったチームを支えているのは、優れた生え抜き選手の力だ。
◇「スカウト冥利」の近年
阪神のスタメン表を見ると、生え抜きがずらりと並んでいる。打線では1番の近本、クリーンアップを形成する森下、佐藤、大山のいずれもドラフト1位指名。畑山俊二統括スカウトは「うれしい限り。スカウト冥利(みょうり)に尽きる状態がここ数年続いている」と笑顔で話す。
外部からの補強に頼らず、生え抜き選手を中心とした組織づくりを明確に打ち出したのは、2016年から指揮を執った金本知憲監督の時代。数年後も見据えてチームの核になり得る選手の獲得を目指すようになった。その年のオフに指名した大山と才木に始まり、17年は高橋、18年は近本、19年は及川、20年は佐藤と、続々と主力に成長していった。
その年のナンバーワンの選手を狙うとは限らない。センターラインの強化を図った18年オフは、中堅手の近本、小幡と木浪の遊撃手2人を指名。「この選手は今年必要じゃないだろうと(リストから)消去するというか、そういうことを明確にここ数年できている」と畑山氏。将来性を重視しつつ、チームの補強ポイントも決して外さない。
畑山氏は「監督の意向をある程度反映させて指名した方が、選手も使ってもらえる感覚はある」と強調する。今のチームには、実績のない若い選手にも積極的に1軍を経験させる方針がある。石井や工藤といった下位や育成で指名した選手の実力が伸びているのも、そうした環境がプラスに働いているとみる。
90年以上を誇る阪神の歴史。過去に優勝を遂げても、その反動で低迷期が続いたことがあった。畑山氏は「常勝球団を目指し、下降時期を減らすためにどうするか。それがわれわれの仕事」。果たす役割は大きい。
【時事通信社】
〔写真説明〕セ・リーグ優勝を果たし、祝勝会を楽しむ(左から)阪神の佐藤、大山、森下=3日、広島県内
2026年10月05日 07時03分