衆院予算委員会は週明けの3、4両日、石破茂首相と全閣僚が出席して2025年度予算案の基本的質疑を続行する。野党各党は引き続き「政治とカネ」を巡る政権対応を追及しつつ、それぞれの看板政策を予算案に反映するよう迫る構えだ。省庁ごとに予算内容を精査する初の試みもスタート。与野党の攻防が一段と熱を帯びそうだ。
3日は立憲民主党の岡田克也前幹事長や日本維新の会の岩谷良平幹事長らが質問に立つ。トランプ米大統領との向き合い方などに加え、野党が足並みをそろえる企業・団体献金の禁止も論点となる見通しだ。
少数与党の石破政権が予算案を成立させるには、野党の要求を踏まえた修正が不可欠。首相は1月31日の予算委で「いろいろな提案や考え方がある。その議論を承り、より良い方法を目指したい」と述べた。
高校無償化を巡り、自民、公明両党と維新は3日に実務者協議を開催。自公は「年収の壁」見直しに関する国民民主党との協議再開も調整中だ。維新、国民は予算委でも看板政策の実現を迫る方針で、首相の対応に注目が集まる。
野党の賛成多数で参考人招致を議決した旧安倍派会計責任者(当時)からの出欠回答も3日が期限だ。議決に強制力はなく、本人は拒否する意向とされる。
招致が実現しない場合、野党の出方次第で予算委が停滞する可能性も否めない。立民などは強制力のある証人喚問もちらつかせながら、真相解明に後ろ向きな政権の姿勢をあぶり出したい考え。ただ、国民生活に直結する予算案の審議日程を交渉材料とすることには「簡単ではない」(立民国対筋)との慎重論もある。
基本的質疑の終了後は、5~7日に「省庁別審査」が初開催される。従来も審議の終盤に「分科会」を実施してきたが、序盤で予算案の細部にスポットを当て、修正要求につなげたい野党の意向で実現した。
立民はまた、過去最大となる予算案の規模も問題視。政府基金の圧縮など減額修正を視野に入れる。野田佳彦代表は1月31日の記者会見で「無駄を洗い出し、首相にただしていかなければいけない」と強調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕衆院予算委員会で答弁する石破茂首相=1月31日、国会内
2025年02月02日 06時37分