小林製薬は28日、大阪市北区で株主総会を開き、新社長に就任予定の豊田賀一執行役員ら10人の取締役選任が承認された。会長には日本航空の経営再建に携わった大田嘉仁氏を招聘(しょうへい)。役員体制を刷新し、紅麹(べにこうじ)配合サプリメントによる健康被害問題で毀損(きそん)した信頼の回復と経営改革を急ぐ。
山根聡社長は総会冒頭、「謝罪と補償を最優先に、誠心誠意対応する」と改めて陳謝した。出席した株主からは、紅麹問題に関して「いつまで調査や補償が続くのか」などの意見が出た。
総会では、引責辞任した創業家の小林章浩前社長が取締役として経営陣に残っていることなどを香港系投資ファンドのオアシス・マネジメントが問題視。2月の臨時株主総会で提案した独自の取締役選任案は否決されたが、オアシスは今回の株主総会でも、小林氏の取締役再任などについて反対していた。
【時事通信社】
〔写真説明〕小林製薬の株主総会が行われた会場=28日午前、大阪市北区
2025年03月31日 12時40分