米FRB議長を「解任せず」=改めて利下げ要求―トランプ氏



【ワシントン時事】トランプ米大統領は22日、ホワイトハウスで記者団に対し、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を「解任するつもりはない」と明言した。トランプ氏がパウエル氏への退任圧力を強めているとの見方から、市場ではドル売りが加速していた。

トランプ氏は、FRBが「利下げを行う絶好の時だ」と改めて金融緩和を要求。パウエル氏に対し、利下げを「早期もしくは予定通りに行うことを望んでいる。遅れるのは良くない」と語った。

一方、パウエル氏が金利を引き下げなくても「終わりではない」と言明。「彼を解任するつもりはない」と繰り返し、「利下げに関し、もう少し積極的になってもらいたい」と述べるにとどめた。

トランプ氏の高関税政策の影響で、米国の景気が急減速するとの観測が強まっている。トランプ氏は景気悪化を防ぐため、FRBに再三利下げを要求。パウエル氏による利下げの判断が「遅過ぎる」と批判し、同氏の議長退任が「いくら早過ぎても早過ぎることはない」とSNSで主張していた。

ただ、トランプ氏の言動でFRBの金融政策運営の独立性を巡る懸念が増大。米国が資金の安全な逃避先としての「信認」を失うとの見方から、ドルや米国債が下落していた。トランプ氏も市場の動揺を見過ごせず、ひとまずパウエル氏への圧力を緩めたとみられる。

【時事通信社】 〔写真説明〕トランプ米大統領(右)とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長(AFP時事)

2025年04月23日 18時05分


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