別姓・献金、野党まとまれず=終盤国会、コメ・不信任で攻防



今国会は会期末が22日に迫り、与野党が最終盤の攻防に入る。選択的夫婦別姓制度の導入や、企業・団体献金の見直しは野党が団結できず、法改正が実現しない見込み。一方、夏の参院選をにらみ、コメ高騰対策や内閣不信任決議案を巡る論戦や駆け引きが過熱しそうだ。

別姓に関し立憲民主、日本維新の会、国民民主各党がそれぞれ提出した3法案は5月30日の衆院法務委員会で審議が始まった。立民と国民民主はいずれも別姓導入を目指すが、子の姓の決め方に違いがある。立民の野田佳彦代表は「一緒にできないか模索する」と一本化に前向きだが、国民民主の榛葉賀津也幹事長は「与党も入れたコンセンサス(合意)を得られるかどうかの議論がこれからだ」と距離を置く。「保守層」離れを警戒しているとみられる。

維新は、通称で使用する旧姓の戸籍記載制度の導入を掲げ、選択的別姓とは相いれない。3法案はいずれも過半数を得る見通しは立っていない。

法務委員長ポストを握る立民は、賛否両論を抱える与党を揺さぶろうと審議加速を図ろうとするが、自民党は安易には応じない構え。自民執行部は採決に備え、野党案反対の党議拘束をかける方針だが、党内の別姓導入派は「野党案に賛成してもいい」と造反をちらつかせる。

企業・団体献金の扱いも、野党間の溝が埋まらず、法改正のめどは立たない。立民や維新などは「原則禁止」を求めるのに対し、国民民主は自民、公明両党と同じく「規制強化」を唱える。

自公国3党は企業・団体名の公開基準を「5万円超」とすることなどで合意。3党が協力すれば過半数に達するが、国民民主は他の野党との幅広い合意を求めており、法案提出に至っていない。4月以降は与野党の協議が停滞しており、自民幹部は「参院選後に仕切り直すべきだ」と先送りを主張する。

週明けの2日は参院予算委員会で集中審議が開かれ、コメ価格高騰を受けた備蓄米放出などを巡り、野党が石破茂首相や小泉進次郎農林水産相らを追及する。11日には首相と立民の野田氏ら野党党首による今国会最後となる党首討論が行われる見通し。内閣不信任案の提出に向け、野党が結束できるかが焦点となる。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する立憲民主党の野田佳彦代表=5月30日、国会内 〔写真説明〕首相官邸に入る小泉進次郎農林水産相=5月30日、東京・永田町 〔写真説明〕衆院厚生労働委員会で答弁する石破茂首相=5月30日、国会内

2025年06月02日 07時04分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース