元白鵬、相撲協会を退職=周囲慰留も翻意せず



日本相撲協会は2日、大相撲で歴代最多となる45度の優勝を遂げた元横綱白鵬の宮城野親方(40)=本名白鵬翔、モンゴル出身=が提出した退職願を9日付で受理すると発表した。宮城野部屋の力士は当面、伊勢ケ浜部屋が継続して預かる。宮城野親方は9日に東京都内で記者会見する見通し。

相撲協会によると、同じ伊勢ケ浜一門の理事、浅香山親方(元大関魁皇)らが宮城野部屋再開への道筋を示して慰留したものの、翻意しなかった。

元白鵬は昨年2月、弟子の幕内北青鵬の暴力事案により、委員から無役の年寄へ2階級降格などの処分を受けた。その後、師匠の立場を外れ、宮城野部屋は閉鎖された。

弟子の伯桜鵬らと共に伊勢ケ浜部屋に転籍。宮城野部屋復活に向け、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)らから指導を受けていた。伊勢ケ浜部屋は、師匠の元旭富士が7月に65歳の定年を迎えるため、元横綱の照ノ富士親方が9日付で継承する。

元白鵬は2007年夏場所後に22歳で69人目の横綱に昇進。少年相撲の国際親善大会「白鵬杯」を主宰するなど、相撲の普及や慈善活動にも取り組む一方、現役時代終盤の粗暴な取り口や不適切な言動で批判を浴びた。21年9月の秋場所後に引退。後進の指導に当たっていた。

2000年代に入って元横綱3代目若乃花の藤島親方、元横綱の曙親方が相撲協会を退職。朝青龍、日馬富士の両横綱は不祥事の責任を取って引退し、元横綱の貴乃花親方は18年に協会を去った。

【時事通信社】 〔写真説明〕宮城野親方

元横綱白鵬 〔写真説明〕白鵬(奥)は照ノ富士を下し、最後となる45度目の優勝を全勝で果たす=2021年7月18日、愛知・ドルフィンズアリーナ

2025年06月03日 12時38分


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