戦争検証、参院選後に先送り=政府、関税・コメで着手できず



石破茂首相が検討している戦後80年の節目に合わせた先の戦争の検証が、夏の参院選後に先送りされる見通しとなった。当初は4月にも有識者会議を設置することを検討していたが、トランプ米政権との関税交渉や米価抑制などの対応に追われ、政府内の調整に入れていないためだ。政府関係者が6日、明らかにした。

政府は戦後80年に合わせた閣議決定による「談話」の発出は見送ることで調整。一方、先の戦争について検証し、8月15日の終戦記念日に向けて成果を公表する日程を描いていた。検証が参院選後になることで成果の公表もずれ込む見込みだ。

首相は2日の参院予算委員会で「文民統制の在り方について、戦前の教訓を踏まえながらいかなることが可能なのかという問題意識を持っている」と答弁。平和国家としての歩みを堅持する姿勢を検証という形で内外に示したい考えだ。

歴代内閣は戦後50年に村山富市首相(当時)が、60年に小泉純一郎首相(同)が、70年に安倍晋三首相(同)がそれぞれ談話を公表してきた。安倍内閣の70年談話は「子や孫に謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」として、「謝罪外交」を終わらせる意思を表明していた。

【時事通信社】 〔写真説明〕首相官邸に入る石破茂首相=6日午前、東京・永田町

2025年06月06日 17時44分


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