訪米7回、合意遠く=関税交渉、高まる不透明感



【ワシントン時事】トランプ米政権による高関税の見直しを求め訪米している赤沢亮正経済再生担当相とラトニック商務長官との27日の会談では、合意に向けた大きな進展はなかった。閣僚級の関税交渉のための訪米は7度目。相互関税の上乗せ分の停止期限まで2週間を切っている。交渉の不透明感が高まる中、参院選を控える石破政権にとって上乗せ分の適用は大きな打撃となりかねない。

赤沢氏は、ラトニック氏と1時間余り協議。日本政府は「実りのある議論を行った」とのコメントを出した。だが、「合意を実現するため精力的に調整を続ける」との確認にとどまり、自動車関税などを巡る双方の隔たりは埋まらなかったとみられる。相互関税の交渉を主導するベセント財務長官との会談も27日は実現せず、28日以降で調整。赤沢氏は帰国予定を後ろ倒しする。

ベセント氏は今月中旬、上乗せ分の停止期間を延長する可能性を示唆。ただ、これまでに米政権から日本が対象に含まれているとの発信はない。参院選を前にその言質を取り付ければ、絶好のアピール材料になるとの期待もあった。

赤沢氏はこれまで、「期限を設けて交渉はしない」としつつ、7月9日の期限について「念頭にある節目」と指摘。日本の適用停止延長に期待を示していた。

期限が迫る中、トランプ大統領は交渉を進める各国に対し、米国が設定する関税率を伝える書簡を送ると表明。「(停止期限を)延長することも短くすることもできる」とけん制した。一方、カナダとは貿易交渉を突如打ち切るなど、揺さぶりをかけている。

ベセント氏は27日、「誠意ある交渉をしていると判断すれば(相互関税は)一律の10%にとどまる」と言及。赤沢氏は「延長戦」でベセント氏らとの交渉を目指し、停滞打破の糸口をつかみたい考えだ。

【時事通信社】

2025年06月28日 23時56分

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