米政権、続く揺さぶり=対日交渉、車輸出枠も一時浮上



【ワシントン時事】日米の関税交渉を巡り、トランプ米政権による揺さぶりが続いている。米メディアによると、米政権が日本に自動車の対米輸出枠の設定を求める可能性を伝えていたことが判明。これを拒否した日本側との溝が深まり、7回の閣僚級協議を経た現在も合意は見通せない。相互関税の上乗せ分の適用停止期限を前に、市場開放への圧力が強まっている。

日本の産業の屋台骨である自動車輸出に上限枠を設ける案が飛び出したのは5月下旬。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、日本の代表団がワシントンを訪れた際、ラトニック商務長官らが早期合意に至らなければ厳しい措置に打って出ると通告した。

米国は5月上旬に英国との貿易協定で合意し、年10万台まで10%の低関税で英国製自動車を受け入れることを決めた。「成功例」を日本にも適用しようとした格好だが、一貫して自動車関税の見直しを求めてきた日本は応じなかった。

同紙によると、日本との協議を重ねた末、米政権は圧力を強める方向にかじを切った。トランプ大統領はここ数日、コメや自動車などで日本への批判を強め、「30%か35%」の関税を課す書簡を送ると脅している。

一方、フォルケンダー財務副長官は2日、米メディアに対し、非関税障壁の見直しで製造業や農産物などの市場を開放すれば関税率が下がる可能性に言及。「日本との進捗(しんちょく)について近く発表できる」と期待を示した。交渉期間として確保した90日の関税停止の期限を9日に控え、少しでも譲歩を引き出したい米政権との駆け引きが続きそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕埠頭(ふとう)に並ぶ新車=4月17日、横浜市鶴見区

2025年07月04日 08時07分


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