米上院、トランプ減税法案可決=与党から造反、副大統領票で通過



【ワシントン時事】米上院は1日、トランプ大統領が目玉政策に掲げる大型減税を盛り込んだ法案を賛成51票、反対50票で可決した。与党共和党から3議員が「造反」。賛否同数となる中、上院議長であるバンス副大統領が賛成票を投じ、辛うじて通過した。

下院は5月に大型減税関連法案を可決済み。上院はこの修正案を承認しており、下院で再び可決する必要がある。共和党は下院でも僅差の過半数にとどまっており、結束が不可欠だ。トランプ氏と共和党指導部は、米独立記念日となる4日までの議会通過を目指している。

トランプ氏はSNSで「共和党下院が団結した場合のみ、実現できる」と訴えた。

上院は6月28日から週末返上で、議会手続きを急いだ。しかし、共和党内で低所得者向け医療制度「メディケイド」削減を巡って意見の隔たりが大きく、審議はこう着状態となった。

共和党幹部は、メディケイドへの依存度が高いアラスカ州選出の穏健派であるマカウスキ議員を地方医療機関への追加補助などで説得。土壇場でマカウスキ氏の支持を取り付け、何とか可決にこぎ着けた。

法案では、飲食店従業員らが受け取るチップの税額控除など、トランプ氏が昨年秋の大統領選で掲げた減税策がほぼ網羅された。一方、減税の財源として、メディケイドが主な削減対象となった。同制度は地域医療も支えており、一部議員の懸念は根強い。

議会予算局(CBO)によると、上院の修正案では2034年度までに財政赤字が約3兆2500億ドル(約460兆円)増える。下院案の約2兆8000億ドル増から拡大する見通しで、財政規律派の反発は必至だ。

【時事通信社】

2025年07月02日 07時24分

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