参院選の大勢を左右するのは改選数1の「1人区」だ。3日公示の今回参院選で勝敗のカギを握る野党の候補者調整がどこまで進んだか分析したところ、全国32の1人区のうち、所属国会議員10人以上の野党5党の候補者一本化が実現したのは16選挙区だった。2022年の11選挙区から増えたが、十分な共闘態勢が構築できたとは言い難い。
議員10人以上の5党は立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党、れいわ新選組。1人区は野党が与党と一騎打ちの構図に持ち込み、政権批判票を集約できるかが勝敗に大きく影響する。
一本化が実現したのは、岩手、秋田、福島、新潟、長野、三重、岡山、山口、徳島・高知、愛媛、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄。残る16選挙区は、青森、宮城、石川など13選挙区で2党、福井と滋賀で3党、奈良で4党が競合した。
立民は衆院に続いて参院でも与党を過半数割れに追い込もうと、維新や国民民主と候補者調整を模索。維新は「予備選」を通じた各党の候補者一本化を呼び掛けた。ただ、結果は立民・維新が岐阜と和歌山で、立民・国民民主が滋賀で一本化を確認するにとどまった。
共産は公示目前、候補者調整を進めることで立民と合意し、福島と鹿児島の候補者を取り下げた。れいわは1人区に今回初めて擁立し、宮城で立民と競合した。
議員9人以下の政党を含めると、野党競合区は拡大する。参政党は全32の1人区に独自候補を擁立した。
【時事通信社】
2025年07月03日 20時32分
politics