厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は29日、2023年度に年金、医療、介護などに充てられた社会保障給付費が前年度比1.9%(2兆6809億円)減の135兆4928億円だったと発表した。23年5月に新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行したことで、関連の給付金や補助金が大幅に減ったことが要因。2年連続の減少だが、高齢化の進展で過去3番目の高水準となった。
社会保障給付費は、社会保険料や税金を財源として年金や医療などに充てられた費用の総額。医療機関の窓口で支払う自己負担は含まない。
23年度の内訳で最も大きかったのは「年金」で前年度比1.1%増の56兆3936億円。「医療」が6.5%減の45兆5799億円だった。公的医療保険給付が増加したものの、コロナ対策の費用が減少した。子育てや介護といった「福祉その他」は0.3%減の33兆5192億円。
【時事通信社】
〔写真説明〕厚生労働省=東京都千代田区
2025年07月29日 16時48分