日産、1157億円の赤字=5年ぶり、米関税影響687億円―4~6月期



経営不振が続く日産自動車が30日発表した2025年4~6月期連結決算は、純損益が1157億5800万円の赤字(前年同期は285億6200万円の黒字)だった。トランプ米政権の高関税政策などが打撃となったためで、同期の赤字はコロナ禍の影響を受けた20年以来5年ぶり。

本業の収支を示す営業損益は791億2400万円の赤字(同9億9500万円の黒字)。このうち米関税の影響は687億円に上った。横浜市内で記者会見したイバン・エスピノーサ社長は、年間の影響額について「最悪のレベルでも3000億円」と指摘。値上げも視野に影響緩和を図る考えを示した。

4~6月期の世界販売台数は前年同期比10.1%減の70万7000台。中国、日本で2桁減、北米、欧州もマイナスとなった。為替相場が円高に振れたことも利益を押し下げた。

また、主力の追浜工場(神奈川県横須賀市)の車両生産終了などを踏まえ、406億円の減損損失を計上した。

9月中間期の営業赤字は1800億円に拡大する見通し。ただ、通期の利益見通しについては、米関税政策などの不透明感が強いことから公表を見送った。エスピノーサ社長は決算について、「日産が抱える課題の深さを反映している」と述べ、リストラを進める重要性を強調した。

日産は、米国や中国での販売不振などで業績が悪化。過剰生産能力が重荷となり、25年3月期に連結純損益が6709億円の赤字に転落した。

5月には2万人の人員や7カ所の車両生産工場を削減する大規模なリストラ計画を公表。国内では追浜工場での車両生産を27年度末に、日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)への車両生産委託も26年度に終了する。メキシコのシバック工場での車両生産は今年度末で終了し、同国内の別の工場に生産を移管する計画だ。

【時事通信社】 〔写真説明〕決算について記者会見する日産自動車のイバン・エスピノーサ社長=30日午後、横浜市西区 〔写真説明〕日産自動車グローバル本社=横浜市(AFP時事)

2025年07月31日 12時45分


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