立民、公明取り込みへ働き掛け=国民民主、連立入り否定的



公明党が自民党との連立政権から離脱すると表明したことを受け、野党にも衝撃が広がった。立憲民主党は野党候補の首相指名獲得に向け、公明に共同歩調を働き掛ける方針。連立参加へ秋波を送られてきた国民民主は前提が崩れたと判断し、自民との連携に現状で否定的な姿勢を示した。

立民の野田佳彦代表は10日、国会内で記者団の取材に応じ、「『政治とカネ』で相当危機感を持ったということだと思う」と指摘。公明とは「中道」の立場で「共通点がある」と述べ、連携に意欲を示した。

臨時国会冒頭の首相指名選挙の決選投票をにらみ、野党候補の一本化を呼び掛けてきた安住淳幹事長は「(政党の)組み合わせによっては政権交代の可能性が出てきた」と強調した。一本化の候補者として、これまでに国民民主の玉木雄一郎代表を挙げている。

その玉木氏は記者団に対し、自民との連立について「あまり意味のない議論になってきている」と発言。立民からの呼び掛けに関しては「首相を務める覚悟はある」と述べつつも、立民内で安全保障を巡る立場を整理してほしいと注文を付けた。物価高対策など特定のテーマで連立を組むことにも難色を示した。

公明との関係に関しては自身のX(旧ツイッター)で、「政治とカネ」の問題で協力していく方針を示した。

日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は読売テレビの番組で、玉木氏を野党の首相候補とする案について「立民と国民民主がまとまるのであれば本気で話を聞く」と語った。自民との連携に関しては、高市早苗総裁が国民民主との関係を優先しているとして「まずはそっちを先にやったらいい」と突き放した。

共産党の田村智子委員長は首相指名選挙で玉木氏の名前を書く可能性を記者団に問われ、「自民党政治を終わらせる立場を貫く」と述べるにとどめた。

【時事通信社】 〔写真説明〕公明党の連立離脱表明を受け、記者団の取材に応じる立憲民主党の安住淳幹事長=10日午後、国会内

2025年10月10日 20時37分


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