2024年度に全国の小中学校で不登校だった児童生徒は35万3970人(前年度34万6482人)で、過去最多を更新したことが29日、文部科学省の「問題行動・不登校調査」で分かった。小中の不登校は12年連続の増加。高校は6万7782人(同6万8770人)で、小中高を合わせると42万1752人に上った。
いじめ認知件数は、小中高と特別支援学校を合わせて76万9022件(同73万2568件)で、4年連続で過去最多を更新。76.1%が24年度末までに解決していた。心身に重大な被害を受けた疑いがある「いじめ重大事態」も1405件(同1306件)と最も多かった。
小中高での暴力行為発生件数は過去最多の12万8859件(同10万8987件)。自殺した小中高の児童生徒数は413人(同397人)で、置かれていた状況(複数回答)は「不明(234人)」を除くと「精神障害(58人)」「家庭不和(46人)」「進路問題(35人)」などが多く、「いじめの問題」は8人だった。
文科省は不登校増加の背景を、「子どもの休養の必要性が浸透したことや、コロナ禍以降『無理に登校しなくてもよい』という意識変化が生じたことなどが影響した可能性がある」と説明。いじめ認知件数の増加については、積極的な認知に対する理解が進んだほか、「1人1台」の情報端末を使った心身の健康観察による早期発見効果などを挙げた。
その上で、不登校やいじめなどの数が過去最多を更新した現状を「極めて憂慮すべき状況が継続している」と分析。子どものSOSを周囲の大人が早期に受け止め、組織的な対応が取れるよう対策を進めるとしている。
【時事通信社】
2025年10月29日 17時09分
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