レアアース・AIで連携強化=造船でも協力、中国に対抗―日米両政府



日米両政府は28日、レアアース(希土類)を含む重要鉱物の供給確保や、人工知能(AI)など科学技術7分野の振興に関する協力で合意した。また、造船分野でも覚書に署名。経済安全保障上の重要性も踏まえ、幅広い分野で連携を強化することで、存在感を高めている中国に共同で対抗する狙いだ。

高市早苗首相はトランプ米大統領との首脳会談で、重要鉱物の供給を確保するための共通政策枠組みに署名した。電気自動車(EV)などに欠かせないレアアースを巡り、採掘や加工などのサプライチェーン(供給網)支援や許認可の手続き短縮に取り組むほか、供給計画などを策定する共同組織も設立する。

また、小野田紀美科学技術政策担当相は米科学技術政策局のクラツィオス局長と会談。AIの導入とイノベーションの加速に加え、次世代の通信規格、量子技術、核融合、宇宙など計7分野にわたる協力覚書を交わした。

小野田担当相は会談で、「重要技術の覇権争いが激化する中、両国が緊密に連携することは極めて重要だ」と強調。クラツィオス局長も「われわれは信頼できる技術のパートナーだ」と応じた。

造船分野でも、金子恭之国土交通相とラトニック米商務長官が協力覚書に署名した。作業部会を設けて両国の建造能力拡大策などを議論することで一致、年内にも初会合を開く。日米とも造船業の復活を目指す中、金子国交相は「この覚書は両国の造船の新たな歴史をつくり出す」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕協力覚書を交わし、握手する小野田紀美科学技術政策担当相(左)と米科学技術政策局のクラツィオス局長=28日午後、内閣府 〔写真説明〕日米造船協力に関する覚書に署名した金子恭之国土交通相(右)とラトニック米商務長官=28日午後、東京・霞が関の同省

2025年10月28日 19時08分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース