三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンク3行が次世代半導体の量産を目指すラピダス(東京)に対し、融資する意向を伝えたことが11日、分かった。2027年度以降、段階的に最大で計2兆円規模を融資することを想定している。実際の融資額や条件は今後、ラピダスや政府と詰める。民間によるラピダス融資は初めてで、巨額資金が必要な量産の実現を後押しする。
3行は、融資の条件などを示した意向表明書を提出した。独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が債務保証する方向だ。
ラピダスに対し、三菱UFJ銀は3億円を出資している。これに加え、3行は日本政策投資銀行と共に合計で最大250億円の新規出資を検討している。
27年度の量産化を目指すラピダスを巡っては、政府が既に約1兆7000億円の支援を決定。先月には新たにIPAを通じた1000億円の出資も決めた。政府は26、27年度に出資・委託費でさらに約1兆円を投じ、債務保証によって2兆円以上の民間融資も確保する方針。民間から計1兆円規模の出資も集めたい考えだ。
民間企業では三菱UFJ銀に加え、トヨタ自動車、ソフトバンク、ソニーグループ、NEC、NTT、デンソー、キオクシアの8社が総額73億円を出資済み。三菱UFJ銀と同様に全社が追加出資する方針で、富士通なども新規出資を検討している。
【時事通信社】
2025年12月11日 21時30分
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