泊原発再稼働に同意=27年運転再開へ節目―北海道知事



北海道の鈴木直道知事は10日の道議会で、北海道電力泊原発3号機(泊村)の再稼働に同意すると表明した。これにより、道と周辺4町村の同意がすべて出そろった。鈴木氏は、自身の判断を「できるだけ早い時期に国に伝えたい」と語った。北海道電が目指している2027年早期の運転再開に向け、大きな節目となる。

鈴木氏は、北海道電が再稼働に伴う電気料金の引き下げを表明しているほか、道内の電力供給の安定性確保や脱炭素電源が地域経済の成長につながると考えたことなどを判断の理由として列挙した。また、道民や関係自治体の声、道議会での議論を踏まえて熟慮を重ねたと説明した上で、「再稼働に同意する」と明言した。

一方、同原発の安全・防災対策については、道内でも最大震度5強を観測した8日夜の青森県東方沖を震源とする地震に言及し、「今回の地震における不安や懸念を含め、対応に万全を期すよう国や北海道電に申し入れる」と話した。

再稼働に向けて、北海道電は新たな防潮堤の建設をはじめとした安全対策工事などに全力を挙げる構え。一方、札幌高裁では泊原発運転差し止め訴訟が続いており、なお流動的な要素は残る。

3号機の再稼働を巡り、原子力規制委員会は7月、新規制基準に「適合している」とする審査書を決定した。政府は8月、道と原発周辺4町村に再稼働への理解を求める要請を実施し、泊村、神恵内村、共和町、岩内町が既に同意を表明した。

鈴木氏は先月下旬の道議会で再稼働を容認する考えを示し、今月4日には同原発の安全対策を視察。4町村の各首長とも面会し、「首長の判断は重い。しっかりと受けて最終判断したい」などと語っていた。

【時事通信社】 〔写真説明〕泊原発3号機の再稼働について答弁する北海道の鈴木直道知事=10日午後、札幌市中央区

2025年12月10日 17時48分


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