維新、問われる連立の成果=定数減先送り、副首都波乱含み



日本維新の会は年明け以降、自民党との連立政権の成果が問われることになる。「改革のセンターピン」と位置付ける衆院議員定数の削減法案は、先の臨時国会で審議入りできず、来月召集の通常国会に先送りされた。看板政策の「副首都」構想も、自民との意見集約が見通せず波乱含みだ。

「悔しい国会だった」。臨時国会会期末の17日、藤田文武共同代表は定数削減法案の扱いを巡り、党会合で不満を隠さなかった。この後の記者会見では自民に矛先を向け、「本当に法案が通るために全力でやったのか」と対応を疑問視した。

自維の連立政権合意は、定数削減について「臨時国会に法案を提出し、成立を目指す」との表現にとどまり、実現は担保していない。そのため、維新内には「来年も実現しないのではないか」(ベテラン)との悲観論が漂う。吉村洋文代表(大阪府知事)も、通常国会で法案が成立しなかった場合の連立解消に否定的な考えを示すなど、予防線を張っている。

副首都構想でも、両党はつばぜり合いを続けている。副首都の指定要件を巡る溝が埋まらず、年内の論点整理は先送りされた。維新関係者は、実務者間で折り合うのは困難と指摘。その上で「トップ同士の政治判断に委ねるしかない」と述べた。

連立合意は、副首都構想の関連法案を「通常国会で成立させる」と明記。定数削減より要求水準は高い。維新中堅は「通常国会の結果次第では、連立離脱論に発展する可能性もある」と漏らす。

維新はまた、社会保障改革を旗印に掲げるが、具体化の動きは限定的だ。2026年度以降の制度見直しで、自維の政調会長が19日に合意した医療費の削減額は年1880億円。維新が目指す年4兆円には遠く及ばない。藤田氏は24日の会見で「画期的な一歩だ」と評価しつつ、「訴えてきたものと比べれば少し小さなスタートだ」と本音ものぞかせた。

企業・団体献金の見直しも課題だ。存続を求める自民に対し、維新は完全禁止を訴え、立場には大きな隔たりがある。両党は、献金規制の在り方を検討する第三者委員会の設置法案を臨時国会に提出したが、審議は持ち越しになった。連立合意は、27年9月に満了する高市早苗首相の自民総裁任期中に「結論を得る」としており、議論は長期戦も予想される。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する日本維新の会の藤田文武共同代表=26日、国会内

2025年12月31日 07時15分


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