29都道県、名刺を公費負担=「職務上必要」「PRに」―時事通信調査



自治体職員の名刺について、29都道県が原則全て公費負担で作製していることが、時事通信社と地方行財政調査会の調査で分かった。政令市や中核市など都市部では3割の市が公費負担と回答。「職務上必要」「PRになる」を主な理由に挙げた。多くの自治体で職員が自己負担で作ることが慣例とされてきたが、職員の声も踏まえ、変わりつつあるようだ。

47都道府県と政令市、中核市、県庁所在市の計86市を対象に2025年10月1日時点の状況について調査。愛知県豊田市を除き回答を得た。業者への発注に加え、公費で購入した名刺用の台紙に職場で自ら印刷する場合も公費負担に含まれる。

都道府県では全体の6割に当たる北海道、福島、福井、長野、兵庫、熊本など29都道県が「原則全ての職員で公費負担」と回答。理由として最も多かったのは「職務上の必要性がある」で、「デザインを統一することでPRになる」「職員の負担軽減につながる」などが続いた。山口は働き方改革に関する職員提案を踏まえ、25年6月から公費に切り替えた。

観光関連の部署や課長級以上の役職など、「一部公費負担」は5県。「その他」(13府県)のうち、宮城は年間200枚までは自費負担で、これを超える分は公費負担を認めると回答した。

都市部で原則公費負担としたのは、政令市(20市)の10市を含む26市。公費負担「なし」は20市だったが、うち福島県郡山市など3市は公費負担を「検討している」とした。

長野県立大の田村秀教授(地方自治)は「必要性は部署や個人で異なるが、業務で使うものは極力公費で作るのが望ましい。積極的に名刺を配り、外部とやりとりするような職員を評価することも重要だ」と指摘した。

【時事通信社】

2025年12月30日 19時03分

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