政権安定へ攻めの姿勢=解散時期焦点、続く外交難路―高市首相年頭会見



高市早苗首相は5日、三重県伊勢市で年頭の記者会見に臨み、経済や安全保障で自前の政策を加速させる姿勢を示した。政権発足から2カ月半、高支持率をキープするが、今年は政権基盤を安定させるため衆院解散・総選挙への戦略をどう描くかがポイントになる。トランプ米大統領との向き合い方や中国との関係改善など、難しい外交課題も待ち受ける。

「ここからギアを上げ、自民党総裁選や日本維新の会との連立合意で掲げた政策をどんどん実現していく」。首相は会見でこう語り、今年は日本の「分水嶺(れい)」になると強調した。

これに先立つ伊勢神宮参拝時には故安倍晋三元首相の遺影を携えた。7年8カ月の最長政権を築いた安倍氏に思いをはせたようだ。

高市内閣の支持率は各種世論調査で異例の60~70%台。「責任ある積極財政」を看板に据え、防衛力強化や外国人政策見直しを打ち出した。会見でも「投資と成長の好循環」を訴え、安保3文書の年内改定を表明した。

昨年末、首相は国民民主党の玉木雄一郎代表と「年収の壁」引き上げで合意し、2026年度予算案への賛成を取り付けた。会見でこれに自ら触れ、連携に期待を示した。政府高官は「心に余裕ができた」と次の一手を見据える。

衆院解散について首相は「考えている暇はない」と明言してきた。だが、5日は「目の前の課題に懸命に取り組んでいる」と答えるにとどめ、微妙に変化させた。自民内では予算成立後や通常国会閉幕後の解散を予想する向きが多い。

野党側は警戒を強める。立憲民主党の野田佳彦代表は5日、党本部で「間違いなく今年中に総選挙が行われるだろう」と発言。野党連携に関し「限りなく一本化に近づくため、誠意ある対応を続ける」と記者団に語った。

公明党の斉藤鉄夫代表も「常在戦場。しっかり準備を進めなければ」と党内にハッパを掛けた。

外交面は状況がより複雑だ。台湾有事を巡る首相の国会答弁を契機に中国との関係は悪化し、「打開には数年かかる」(外務省幹部)との見方が広がる。頼みの米国はトランプ氏が中国との貿易関係を重視し、思惑がすれ違う。米国のベネズエラ攻撃も影を落とす。

首相はトランプ氏の4月訪中をにらみ、3月中に初訪米して対中認識をすり合わせたい考え。安倍氏と同様に強固な関係を確立できるか、手腕の見せどころとなる。年頭会見で「日本を取り巻く国際情勢が大きく変化する中、大局観を失うことなく次の時代を切り開く」と強調した。

【時事通信社】 〔写真説明〕伊勢神宮の参拝を終え、年頭の記者会見をする高市早苗首相=5日午後、三重県伊勢市 〔写真説明〕立憲民主党の仕事始めを終え、記者団の取材に応じる野田佳彦代表=5日、東京・永田町の同党本部

2026年01月06日 10時09分


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