ベネズエラ、石油「巨額投資」遠く=欧米大手、国有化・制裁で撤退



【ワシントン時事】トランプ米大統領が意欲を示すベネズエラ石油産業への「巨額投資」は、実現や産業の再生までに相応の時間を要する見通しだ。埋蔵量で世界1位を誇るベネズエラだが、過去に石油産業を国有化した経緯から、欧米エネルギー大手はほぼ撤退。米国の制裁もあり、原油生産は低迷を続けている。

トランプ氏はマドゥロ大統領拘束後の記者会見で、米石油企業の参入や数十億ドル(数千億円)の投資によって、ベネズエラでの生産を回復させる青写真を提示。4日には記者団に「インフラは朽ち果てているが、石油企業が入って再建するだろう」と強調した。

現在の産油量は世界全体の1%程度。このうち3分の1は米石油大手シェブロンが生産しているものの、かつて操業していた米エクソンモービルなどの欧米大手は、1999年に発足した左派チャベス政権の下で石油産業が国有化されたため、撤退した。

米制裁で油田閉鎖に追い込まれた例も少なくない。トランプ氏は2期目就任後、国際市場でのベネズエラの孤立化を狙い、複数の欧米企業の事業許可を停止した。

今回のベネズエラ攻撃では石油インフラに被害はなかったとされるが、設備の老朽化は著しい。米メディアは「生産・輸出の本格回復には相当長い時間がかかる」との見方を伝えている。

現在、ベネズエラ産原油の大半を購入しているとされるのが中国だ。米制裁を逃れた石油を市場価格より大幅に安い値段で調達している中国政府は、攻撃をすぐさま非難した。

ルビオ米国務長官は4日、米メディアに「西半球が米国の敵対国の拠点となることを許さない」と強調。ベネズエラが親米政権に転じれば、輸出先は中国から他国へシフトする公算が大きい。トランプ氏が期待する米企業の投資が実現した場合、インフラ再建などに打つ手のなかった現地企業にとっては朗報となる。

ただ、原油市場は供給過剰が続く見通しで、投資に見合う採算が見込めるかは不透明だ。政情不安のリスクもつきまとう。トランプ氏はベネズエラの歴代政権が石油産業の停滞を招いたと不満を示すが、「裏庭」の権益確保は、自身が思っていたよりもはるかに困難となる恐れもある。

【時事通信社】 〔写真説明〕ベネズエラ北西部マラカイボの老朽化した油井=2018年5月(AFP時事)

2026年01月06日 12時30分


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