米株価1割上昇、規制緩和追い風=トランプ関税リスク低減―FRB独立性に影―トランプ政権1年



【ニューヨーク時事】第2次トランプ米政権発足後、株式相場は底堅く推移している。大型減税に加え、政権の規制緩和志向が好感され、代表的な株価指標のダウ工業株30種平均は1年間で1割上昇。政権の命運を左右する中間選挙を秋に控え、高関税政策に端を発した通商摩擦が「激化しない」(米銀大手首脳)との観測も相場を支える。

一方リスク要因は、トランプ大統領による圧力で連邦準備制度理事会(FRB)の独立性が揺らいでいることだ。金融政策の信認が失われれば、株高基調に逆回転がかかることは避けられない。トランプ関税の合憲性に関する裁判の行方も相場をかく乱する可能性がある。

大手銀などは今年の経済成長率が2%台と予想。減税による消費喚起や、政権が企業のM&A(合併・買収)を推進するとの見方を受け、市場では景気楽観論が漂う。人工知能(AI)普及を見据えた巨額投資も相まって、ハイテク株中心のナスダック総合指数も1年間で2割弱上がった。

経済政策への期待が寄せられた第1次政権下でも相場は上昇。「こうした成功体験が(頭に)残っている」(日系証券)ことも強気相場の原動力だ。

ただ、高関税政策の連発で深刻なインフレ懸念が浮上し、市場は何度も試練を迎えた。トランプ氏が昨年4月、ほぼ全ての国・地域を対象とした相互関税を発表した後、株・ドル・債券が同時に売られる「トリプル安」に直面。政権は株価を気にしないそぶりを見せながらも、景気に配慮し、政策を軌道修正する事態が散見された。

中間選挙をにらみトランプ氏が物価高対策を断続的に打ち出す中、政策のさらなる見直しで「実効関税率が下がる」(金融大手)との観測もある。

市場にとって気がかりなのは、大胆な利下げを求めるトランプ氏がFRBへの攻撃を強めていることだ。FRB本部改修工事に絡むパウエル議長の議会証言を巡り、米当局が刑事捜査を開始。要求を受け入れないパウエル氏に対する不当な圧力との見方が広がる。報道によると、金融最大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)は「インフレ期待が上昇し、金利が次第に上がるだろう」と懸念を示した。

【時事通信社】

2026年01月19日 20時30分

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