自民、消費減税で争点つぶし=中道新党「生活者第一」前面



高市早苗首相による衆院解散の表明を控え、与野党が公約策定を急ピッチで進めている。自民党は時限的な食料品の消費税率ゼロを検討。野党に追及の糸口を与えぬよう「争点つぶし」を図る。立憲民主、公明両党による新党「中道改革連合」は「生活者ファースト」を前面に掲げ、政権と対峙(たいじ)する構えだ。

「積極財政など国の根幹に関わる政策転換の判断を受けたい」。自民の鈴木俊一幹事長は18日のNHK番組で、衆院解散の理由をこう説明した。

首相は、与野党とも予期せぬ衆院解散の判断で政局の主導権確保を目指したが、立公の新党結成で状況は一変。好調な内閣支持率を背景にした「大勝シナリオ」も不透明さを増す。

こうした中、自民で目玉公約に浮上したのが食料品消費税ゼロだ。自民と日本維新の会は、連立政権合意に「法制化の検討」を盛り込んだが、首相は就任以降、慎重な考えを繰り返してきた。さらなる財政悪化への懸念が自民内に根強かったためだ。

しかし、新党が基本政策に食料品消費税ゼロを盛り込む方針を固めたことで、自民の財政再建派も「われわれも掲げざるを得ない」(ベテラン)と容認姿勢に転じた。消費税減税はれいわ新選組や共産党などもかねて主張。首相に近い自民幹部は「野党との争点が薄まる」と狙いを明かす。

これに対し、新党側は物価高対策を巡る政権側の「遅れ」を突く。立民の野田佳彦代表は18日、消費税減税について「もっと早くできたはずだ。なぜ決断しなかったのか問われる」と記者団に指摘。公明の斉藤鉄夫代表は「財源も示す」と述べ、単純な減税論とは一線を画す考えを強調した。

財務省は昨年の国会審議で、食料品などにかかる消費税の軽減税率8%をゼロにした場合、年5兆円程度の減収が生じると説明。新党内では、基金の見直しや、政府系ファンド創設による運用益で賄う案も浮上するが、実効性は不透明だ。

「選挙のたびに『減税合戦』になっている」。経済官庁幹部はこう嘆いた。

【時事通信社】 〔写真説明〕新党「中道改革連合」について、記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表(左)と公明党の斉藤鉄夫代表=18日午後、東京都港区

2026年01月19日 07時04分


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