
法制審議会(法相の諮問機関)の刑事法(再審関係)部会が20日に開かれ、法務省が再審制度見直しの試案を提示した。救済の道を閉ざすとして廃止論の強い再審開始決定に対する検察の不服申し立てを禁止せず、開示された証拠の目的外使用に刑事罰を科すとした。弁護士の委員は「冤罪(えんざい)救済を妨げる改悪だ」と反発した。
学者や検察官の委員らは試案をおおむね支持し、議論は平行線をたどった。部会は2月中に答申したい考えで、近く多数決で結論を出す方向。政府は衆院選後に法案を国会へ提出する想定だ。
検察官の不服申し立てを巡っては、審理長期化の要因として日本弁護士連合会や超党派の議員連盟が強く禁止を求めてきた。当初、法務省は部会に禁止と存続の両案を示していたが、今回の試案では論点そのものが消え、制度維持の立場を事実上示した。担当者は「意見集約が困難だと判断した」と説明した。
不服申し立てを提起できる期間について、現行の3日間から14日間に延長する案も盛り込んだ。
開示証拠を再審請求以外の目的に使うことを禁じると、支援集会での提示や報道機関への提供ができなくなる可能性が生じる。試案は目的外使用について「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」を科すと明記。過去の冤罪事件では弁護団が新証拠を公に訴えることで救済につなげた経緯があり、弁護士の委員は「正当な弁護活動を封じる」と批判した。
【時事通信社】
〔写真説明〕法務省=東京都千代田区
2026年01月20日 20時40分