AI活用、継戦能力を強化=政府、安保戦略改定に着手―有識者会議、27日初会合



政府は27日、日本の外交・安全保障の基本方針となる「国家安全保障戦略」など3文書の改定に向け、高市早苗首相が出席して有識者会議の初会合を開く。ウクライナや中東の戦闘でクローズアップされたドローンの大量展開や人工知能(AI)の活用を明記し、長期戦に耐えられる継戦能力の強化も打ち出す方向だ。

会議の名称は「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」。元駐米大使の佐々江賢一郎氏、三菱UFJ銀行特別顧問の三毛兼承氏、経済安保などが専門の鈴木一人東大公共政策大学院教授ら15人で構成する。秋ごろに提言を出す。

政府はそれを受け、安保戦略に加えて日本防衛の目標や手段を記す「国家防衛戦略」、自衛隊の装備や人員を定める「防衛力整備計画」を12月に改める。木原稔官房長官は24日の記者会見で「安保環境の急速な変化に適切に対応する」と述べた。

念頭に置くのは中国や北朝鮮の動向の他、4年を超えたロシアのウクライナ侵攻、今年2月に始まった米国・イスラエルとイランの攻撃の応酬。多数の無人装備投入が戦場の在り方を一変させた。

大量のドローンの同時運用には、自動制御できるシステムの整備が不可欠。情報収集・分析能力の向上を含め、AIのさらなる導入を図る見通しだ。人的損耗を防ぐ観点からも、こうした「新しい戦い方」への対応に力点を置く。

弾薬や部品、燃料は年単位で確保する必要があり、どの程度の継戦能力を持つべきかが論点となる。有事に備えた国内の生産基盤拡大も掲げる。

また、太平洋側の防衛体制強化を柱の一つに据える。台湾の武力統一を視野に入れる中国は、米軍の反攻をはね返すため太平洋上に防御ラインを引き、既に活動を活発化。防衛省は基地機能の強化やレーダー網の整備が急務とみている。

「情報戦」「認知戦」対応も盛り込む。ロシアはウクライナ侵攻でゼレンスキー大統領が国民に降伏を呼び掛ける偽動画を投稿し、混乱を広げたとされる。サイバー攻撃への対処力、情報収集力と発信力の強化を目指す。オーストラリアやフィリピン、英国など「同志国」との連携深化も書き込むとみられる。

防衛費の規模や非核三原則の扱い、中国に対する認識にも注目が集まる。

トランプ米政権は同盟国に国内総生産(GDP)比5%以上への増額を求める。「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則のうち、首相は「持ち込ませず」の見直しが持論。中国に関しては2022年の改定時に「脅威」と明記する案が浮上したが、与党だった公明党の反対を受け、「(中国のミサイル発射は)地域住民に脅威と受け止められた」と記す形で最終決着した。

【時事通信社】 〔写真説明〕閣議に臨む高市早苗首相(左)と小泉進次郎防衛相=21日、首相官邸

2026年04月26日 19時01分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース